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"恋愛も鉄砲も同じさ"

"狙いを付けなきゃ当たらない"

[恋愛の戦略図鑑]

腰かけない会話

6/27/2020

 
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言葉が話せることと、会話ができることは違う。改めて言うまでもないことだと思えるけど、見落とす人もいるだろうから、あえて会話の基本を取り上げよう。言葉が話せるっていうのは、ある言語に習熟していること、だから例えばこれを読む人は母語が日本語だろうから、日本語が話せる。だけど、それで会話が続けられるかどうかは、それだけではわからない。会話の基本から、ちょっと応用編の腰かけない会話まで、するっと見て行こう。
 
まず会話は話題力だ。別に近所のおじさんがハンドガン持って空き地をうろついているっていう嘘までは吐かなくていいけれど、面白くて場が持つような話題力は必要だね。ヨーロッパは、何はともあれ会話だから、話題力のある人がその場を制する。驚くほど綺麗な人でさえ、会話力を磨いたりもしくは話題の無さを嘆いていたりするから、会話が娯楽の内の大きな割合を占めるヨーロッパでは想像以上に会話というものが大事なんだろう。すごく綺麗な人っていうのも、一日に数人は見かけるレベルでいるから、美しさだけでは物足りないんだろうね。
 
それで、話題力はどう磨くのかってことだ。まず好奇心を広く持って、経験するのがいい。家の中にいて、話題が増えることはない。外に出て、目を開いて、見るほかない。それで、経験が話題になるよう頭の中で整理をする。会話は知識を見せびらかしでやるものじゃないけど、本を読んでから経験を得るために外へ出かけるというのは良い方法だ。その際は自分より経験豊かな人が書いたものから選ぶといいだろう。そして活動を通して、書いてあることの分からなかった部分が明らかになっていく。ただし本だけ読んでいてもだめだ。情報集めと話題集めは、種類の異なる行為だからね。わかりやすく言えば、話題には自分がどう参加して経験したかという個人的な側面を強く求められる。”へえ、それであなたその時どうしたの?”と聞かれて、”何も。”と答えたのでは会話は終わってしまう。  そうだね、ええと、話題が増える近道というのは、ライフスタイルを経験型に変えることだ。経験的になることは、人間生きていればそんなに難しい事でもないだろう。
 
会話の現実感覚というのはかなり大事だ。まず、話題は現実に根差しているから、聞いている人が関心を持つ。現実の出来事と無縁な人間はいないから、話題と利き手の間に自ずと興味の関係性が出来上がる。この聞いている人間に関係のある話をするというのは、基本的だけどどのレベルでも重要な点だ。どんなに珍しい話でも、自分に関係ない話なんて聞きたくないでしょ。”オランダの田舎町で僕はすっかり地域の人気者さ。” なんて言われても一生言ってろよテロで死ね、ってなる人がほとんどでしょ。だけど、”あなたもみんなから好かれるやり方があるのよ、それはね…。”って言われたら、多少は聞く耳持つだろう。
 
さて最後に、中級会話テクニックを教えよう。それは、腰かけないようにやる会話。腰かけない会話というのは、お互いが理解している範囲内で、うまく逸らしたりはぐらかしたりしてやりとりする会話のことだ。専門用語が見当たらなかったから僕が適当に命名した、会話中級者以上でよくやる技術のようなものだね。単なるはぐらかしとは違って、お互いに理解していることに対して、一定の距離を置きながら会話の心理戦を楽しむ。これは、例がないとわかりにくいだろうから、会話中級例を見て、今回の会話の話は終わりにしよう。
 
  「この曲の名前は?」
 
  「何にしようか。」
→自分が作曲した音楽の名前のアイディアを尋ねる
 
  「小グランジュ。」
→英語でわざとフランス風の名前を薦める
 
  「発音できないな。」
→発音できるけどフランス語なんて話さないよって気持ち
 
  「そういう皮肉が言いたい奴に聞かせるんだから。」
→イギリス人はフランスを馬鹿にする皮肉が好きでしょってこと
 
  「もう少し長いのは?」
→会話が喧嘩にならない辺りで軌道修正
 
  「畏怖と驚嘆。」
→Awe and Wonder、ありがちな題名
 
 「きみが何も聞いていなかったのは分かったよ。」
 
  「弾くあなたを見ていたからね。」

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