透明のアンテド
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"明日へのパスポートってさ"

"今日学ばない奴には発行されないぜ"

[戦闘する哲学]

哲学教育の改造

24/11/2019

 
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僕の読者の方はお馴染み、苫野先生の議論を継承しながら、哲学について話を進めていこう。

はじめての哲学的思考 第1回 哲学ってなんだ?

苫野先生の頑張りっぷりは、尋常ではないね。哲学というものに対して真摯で、哲学的思考を日本で普及させようと頑張っているよ。だけど、僕には想像できる。このままでは、"日本の小中学校にあるどこの誰?だか訳わからない銅像"、苫野先生の頑張りって、そういう銅像になって終わりなんじゃないのかな。

それで、僕は、日本語の"哲学"という言葉は、だめだと思っている。この哲学という言葉を捨てることから始めるべきだね。代わりに、"アーギュメンテーション"という言葉を普及させるべきと考えているよ。理由は、以下のようなことだよ。

事実1:人生哲学や、論拠のない信念を想起させる
→ヨーロッパで学ばれる哲学はアーギュメンテーション(リーズニング・プロセス)に基づく学問だ。日本の"哲学"とは違うよ。

事実2:学問としての哲学は、日本社会では役に立っていない
→ヨーロッパでは、哲学者は政策を改善したり、代替案を提出したり、社会の役に立っているんだ。

事実3:日本では西洋哲学とごまちゃまぜにされがちな東洋哲学は、必ずしも根拠付きの哲学ではない
→根拠がない論を"哲学"のフレームに放り込んだ瞬間、哲学の有用性が瓦解するよ。論拠がない論はだめだよ。

事実4:日本の異常な物質主義、目に見えないプロセスへの軽視
→これが一番の敵だけど、アーギュメンテーションは、可視化できるよ。

僕が普段やっている勉強から引用すると、こんな感じ。アナロジー(類比)を示すアーギュメンテーションだね。
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こういう回路図が、前回話した哲学試験で求められる解答の裏には走っているんだ。

そんな回路図、何の役に立つの?という、問いを持つ人がいるだろうね。回路図が背景に走っているものを作っているから、問題があれば修正がきくんだ。回路図で作っているから、検証ができるんだ。これが、どういった形で現れるかというと、それはとても簡単な話だよ。

先進国と途上国との差

日本より進んだ文明(フランス、ドイツなど)は、この回路図すなわちアーギュメンテーションに基づいて社会が形作られている。個人を保障し自由を保障するという基盤が、あらゆる社会的回路の中に組み込まれているわけだ。

西洋と東洋は違うという相対化を口にしたい人もいるでしょう。そういうのは、超えてから言うことだ。日本は、ポケットの中のお金がたくさんになっただけじゃないか。それが、知的に超えたことを意味するの。単にお金を稼げば、それは先進的な地域である証明なの。だとすれば、今では中国の方が知的な国ということになるよ。シンガポールの方が、東京よりも素晴らしいということになるよ。

香港のデモを見て民主主義のない国は、と馬鹿にしている人も多いだろうね。だけど、申し訳ないけど香港のトップエリートにまともに歯が立つ日本のエリートはほとんどいないと思うよ。彼らには、僕も圧倒されることがある。香港のエリートは、アメリカやヨーロッパのエリートとも対等に渡り合えるだけの知性と教養があるんだ。

まずは事実を受け止め、何がその事実を引き起こしたのかを考える。そのために必要なものが、アーギュメンテーションなんだ。

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