透明のアンテド
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"なるべきものは明確さ"

"知的人類であるということだよ"

[戦闘する叡智]

人工楽園の追放者

6/28/2020

 
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AIが普及した時代の立ち回り方とか、立ち位置の作り方について意見を求められる。そもそも、僕はその手の専門家ではない。人間の条件という悩み方は古いテーマだが、機械の力によってその回答に決定的な形を与えられると知ると、けっこう面白い。聞いてくる人たちは笑い話じゃないって気分なのだろうから、真面目に考えてみよう。人間の創造性だとか、今後人間は色々と問われはするが、ごく大衆的な目線においての優先順位でいえば地域と心中することが重要だ。

まず、地域そして社会的な結びつきの強いものを最優先することだ。すなわち、人間を相手にする勉強をし仕事に就かなければならない。地域的な結びつきというのは、世界的にこれからますます強くなっていくし、人格を重んじられる個人として地域に根差しておくことが、生き残るうえでとても重要になっていく。言うなれば、人間として求められる個人であれ、ということだ。今までは単純な仕事、機械めいたことでも人手が要ったが、これからはそうはいかない。社会的なコミュニケーション能力という、単なる馬力で示されるような知力とは別個のものが、何より強く求められるだろう。人間の相手をできない者は、残念ながら、あまり必要がなくなる。存在する必要がね。
 
 つぎに、人間の五感を楽しませるような、そういう人間に経験させる専門家もより重んじられるようになるだろう。料理人の社会的地位は、さらに上がると思う。人間を楽しませる産業が活発化することを踏まえれば、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚という感覚の専門家は、上昇志向な人たちの目指すものになるね。視覚の問題だけ、すこし厄介だから補足しておくと、現実世界に存在してかつ美しいものはますますありがたがられるということだ。そして、今後社会が再構成される中で、しばらくは富裕層と貧困層の二極化はさらに進む。単調な仕事でホワイトカラーをやっていた中間層というのは絶滅するだろう。生き残った富裕層は、余暇に多額の出費をする層はさらにお金を使うようになる。いわゆる富裕層の経験熱というのは世界的にすさまじい。SNSが後押ししているという側面だけで、説明のつくものではない。それから、細かく指先を駆使する技や単純な重労働は、当面のロボット工学では実現が難しいし費用もかさむから、とても人間向きだ。人間の高度な感性を形にする職業か、人間を使った方が安いものは安泰だということだね。
 
また、独自性の考え方は変わりうる。おそらくこれが期待されている話だ。独自性というのは、独自的知性のことではない。"人間の"コミュニティの問題に対して責任をもって積極的に取り組める人間というのも、独自性だ。人間ならではという意味において独自だということが、独自であるという時代が来る。何度も言っていることだが、感情のからむ問題に密接に関わることができる人間はいくらでも要る。人間は感情の獣だ。だが、知性の問題となると、数は必要がない。論理というものは優れたものが少数あれば、それで足りるし劣ったものを上書きできるからだ。この論理の特性は、人工知能と人間の関係性を、そのままに表している。創造性、すなわち一般に知られる知力というのでやっていきたい人は、色々な要素が絡む。まず生得的な資質、そしてそれらをしかるべき時期に育てていたかどうかという環境的な要因だ。その二つを満たしてようやく、努力というもので方向を変えることができる。日本人によく見られる努力万能主義は科学的ではないし、実現可能性の極めて低いものだ。この道は険しいし、個人で見出さなければいけない点が多いから、これという解決策はない。効果的な作戦というものは、人目に触れたときにその効果を失う。独自の見通しのある人間は、吹聴せずに個人個人で考え、一歩ずつ進むことが大事だ。
 
じゃあ、お前は何をやるのかと言われれば、僕はね国を作るよ。新しい時代にふさわしい、新しい王国をこの世を越えた大地に築こう。

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