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知の生産と科学的態度

6/26/2020

 
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知的生産に従事したことはある?どうも日本語圏では、知を生産するという営みが定着せず、何でもアメリカとヨーロッパから輸入して済ます悪癖が常態化しているようだ。今回は、西ヨーロッパが生むソフト的知性がどこから来るわけか、少し話そう。

知的発見志向を持つ人たちが知の生産を促す。一方で知的オタクというのもいて、この人たちは知っていることを誇る。知っていることは基礎であり素晴らしいことではあるのだけど、誰かが知の生産に従事し、そして成果を上げてくれないことには新たなインプットはできない。なぜなら、既にあるものを吸収するに過ぎないわけだからだ。最初から他人の発見をあてにしているわけだね。そして、知の産出ができる構造を持たなければ、その社会は脆弱だ。ある資源の獲得に関して徹底的に依存的であらなければ、知的営みを巡らせることができないからね。

さて、あなたは実学として批判的知性を身に着けることをしている?批判的知性としての哲学は他の学問領域を生かすための実学であるんだ。この批判的知性の不在は、官僚主義的で手続き的な無意味な知識のコピーイングを促してきた。日本においてね。だけど、この無意味な複写を作り出す構造を再生し続けていても、そこに実学としての基礎的な学問は成立しない。なぜなら、継承されるべき言説が大地に根差し文化に根差し、組み上げられてこなかったからだ。だから、日本で見られるある学問の分野が本来的に打ち立てられていないという状態は、すなわち、その分野の研究力や教育力がまず乏しいという姿で現れる。これには、日本における学問に対する即物主義そして反知性主義も一役買っているだろう。つまり、目先で経済化できる応用だけやろうという浅ましさと通俗的なハウツー本をありがたがる文化が、劣悪な常態を生み出すことに一役買ったという事だ。もしあなたが批判的知性を持たなければ、この官僚主義的な空疎な模倣の実態に対して何も気づくことはないだろう。そして、そこに、本来的な意味における知はないんだ。

知的発見志向を尊ぶというのは、科学的態度を尊ぶことと、ほとんど同じことだ。関連する例を挙げるとするならば、完全な答えが得られない問いというものが、しばしばヨーロッパの選抜試験では用いられる。その分野を得意とする学者同士でも意見の割れるようなものだね。この試験における故意に計画された困難さが、学術的なな態度を要求するわけさ。この構造主義的形質の内で展開される鍛錬というのが、青少年期の知的構造の再定義に一役買っているのだろうというのが、僕の経験則だ。それは、ある秩序に従って論証されうる過程の内において、なにがしかを掴むことを促す学び方が求められるということだ。言い換えれば、知的発見志向を求めることであり、知的オタクを作る行為ではない。答えは、学術的な文脈ないし科学的な文脈における秩序の中で、能動的に建設されることを要求してくるんだ。

知っていることは偉いことだけど、今時知っている勝負だけならば、中国人エリートにかなう人はいない。だけど、知っていることが知の実態ではない。発見し、造り、生み出しうる一連の知的な営みこそが、人間を知的にするんだ。そして、その土地に打ち立てられた学問の不在は、その知が担当しうるあらゆる分野に良い影響を与えない。未成熟な社会制度の中、科学者や工学者だけ傑出した人材を輩出するなどという、都合のいい事態はないんだ。科学者や工学者もまた、知の文脈の中で育つ専門家たちなのだからね。

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