透明のアンテド
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"フツーになりたい?"

"僕なら、ジユーを選ぶよ"

[オリバーの自由帳]

余白に浮かべる恋

10/7/2020

 
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最近、哲学的なアメリカ人男子から求愛されていて、なんかやっぱり自分はフロイト派なんだなって思い知らされた。

この男性、ジーンは僕のことを隅々まで褒めてくれるんだ。君みたいに美しい子を見たことがないとか、君みたいに賢い子を知らないとか、褒め殺ししてくるんだよね。僕は、褒め殺しには弱いんだよ。それで、何から何まで知りたいっていうんだ。何から何までって、文字通り何から何までだね。人間って知れば知るほどお互いの関係を難しくするけれど、ジーンはそういうのは気にならないみたい。僕が冗談で、"じゃあパンツの中まで見たいの?"って聞くと、ジーンは"最終的には見たいが、今は君のことを知ることが先決だ"とか言い出すし、ダイレクトで面白い人だなと思った。

僕って同性の友達がほとんどいないから、こういう何でも話せそうな人がやってきてくれることは本当に良かった。"この数日間、一番気になって好きだったのは君だ"とか、たった数日間かよとか思うけど正直だし、ちょっと笑わせてもくれる。ジーンは10歳年上で、そういうのも気易くて話しやすい。年が近いと、レヴェルとかいろいろ気を使って話しにくくなることもある。年が離れていると、僕が多少馬鹿なことを言っても、未熟さが覆い隠してくれる。僕の恋愛は、いつも同年代とはうまくいかない。知性の差が、全部を台無しにしてしまう。

ジーンが言うには、僕の頭の良さが一番好きらしい。ジーンがいると、僕の死んだ彼氏が帰ってきてくれたみたいだ。彼は頭のいい少年である僕を愛していた。白くて綺麗だと、いつも褒めてくれたんだった。僕はずっと寂しかった。ずっと我慢してた。誰も気づいてはくれなかった。誰も僕を心の底から受け入れてくれることはなかったし、すべてが条件付きだった。誰も僕を本当に愛してはくれなかった。だから、僕はすっかり疲れ果てていた。

きっとジーンは僕が死んでも、涙を流さないだろう。死んだ彼氏は、僕のことを心配しすぎて心を悪くしてしまった。僕はジーンの、ともすれば冷たい、あるいは割り切られた個人主義に気楽さを感じる。僕はもう、愛する人の人生を狂わせたりしたいとは思わない。ジーンがいると、僕は人生の余白に、最後の思い出を飾れるかもしれない。どうせ僕は、あと五年も生きられないだろう。僕は今日と明日のどちらも大事にして、残された時間を大切に使っていこう。

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