ミックのTiL探査船
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"TiL探査船の文学室"

イントュイティア カシの読み方

29/1/2019

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 読みにくいイントュイティア カシの読み方の解説をします。
 
 まず、声に出して読む。イントュイティア カシは音声にしたときに、一番きれいに鳴るように工夫されているので、まず声に出すか機械に読ませるか、とにかく音声にしてみてください。これで5割はわかります。つぎに、距離を置いて眺める。イントュイティア カシは文字の視覚上の美観に配慮しているので、文字を映像の一種として眺めてみると数割理解が進みます。各単語と関連する情景を想起するように眺めます。
 それから、ここからが難しいのだと思いますが、比喩同士の接点、意味の接点を探ります。主にメタファーやアナロジーの接点を探ります。哲学書を読む態勢に近ければ近いほど、正統派の読み方ができると思います。理解の前提としては、イントュイティアの設定を念頭に置いて、14、15歳くらいの少年が浮き彫りにしたある意識の素描だとして想像すれば、そうそう間違った理解にもならないと思います。
 
 もし、はかなさ(儚さとは?)が要るのだとしたら
 この剣(剣とは?)はパン(パンとは?)にしよう
 あらゆる武器(武器とは?)を捨てた(捨てるとは?)
 初めて雛鳥(雛鳥とは?)をさわったんだ 
 
 通常の文章にするとこんな感じでしょう。
「もしも僕らが脆く崩れやすくあらねばならないとすれば、戦うことはやめて平和こそを得よう。なぜならば、平和とは儚いものだからだ。そして、銃と剣とは置いて、日々を過ごそう。そうしたら、家の木には鳥の巣があって、そこには雛鳥がいた。ぼくにはそういうことを知る時間がなかったことに気が付いたんだ。」
 
 最後に発言同士の情緒的な接点を探ります。
 
「僕らは、大人になった?」テッド
(精神的/肉体的に大人であることへの言及)
 
「男は女がわかるようになったら。そこから大人さ。」ピーター
(肉体的/精神的に大人であることへの言及)
 

 色々偉そうに説明してるけど、趣味人向けフランス文学を愛読している人々からすれば、難しくはない構造です。妄想ドイツ小説野郎の方にとっても、かなり簡単な構造でしょう。イギリス文学しか読まないとか言う人からすると全く分からないと思います。なぜかって?えーと、説明しても理解されないのに、説明する必要はないでしょうね。
 
   If I need to be fragile,
   let this sword be bread.
   I threw out all weapons.
   I was touching a young bird for the first time.
 

 英語に戻してしまえば、内容はすごく簡単なんですけどね。味気ないというか、情趣が吹き飛んでしまうというか。
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